全国に徐々に増えつつあるのが、救急車よりも早く現場に辿り着く事が出来るとされているドクターヘリです。ドラマでは“山P”こと山下智久さんが乗っていましたね。
そして、このドクターヘリに乗っているのがフライトナースと呼ばれる存在です。そこで今回は、このフライトナースとしての働き方についてお話したいと思います。

まず、ドクターヘリとはその認知度などから都道府県各地で設置要望が出されているといいます。しかし、その維持費は毎年約1億7000万円(約1億5000万円は、ヘリコプターの賃借料や人件費(ヘリの運転手)、燃料費、医師の人件費)がかかるのだとか。国とドクターヘリをもつ県が半分ずつ費用を出すとはいえ、とても大変な額ですよね。そのために、費用面からなかなか配置が進まないのだとか。
中には自治体が消防署や病院などと連携して、国からの補助を受けない民間化されたドクターヘリを配置している所もあるといいますが、まだまだ全国区には至らないといえるでしょう。
さて、ドクターヘリに乗って現場に行く医療関係者はフライトドクターとフライトナース、それぞれ合わせて2人だけ。そのため、看護師はどんな事が起きても動じないという高い知識、技術といった能力が求められます。
なので、目指す人は常に最新の救急医療について学ぶ姿勢を持った向上心の高い人であるといえるようです。また、現場に到着した時には的確な判断が求められます。
そこで、どんな情報も見逃さないように患者やその家族、医師と状況に合った話をする必要があり、惑わされないよう適切なコミュニケーションを取れる事が条件になるといえます。

フライトナースになるには、今のところは看護師として最低で6年以上勤めている事、救急医療に働いているという経験を積んでいる事が求められているといいます。 また、ACLS(心肺蘇生、心臓マッサージの技術について学ぶ)講習会や、JPTEC(外傷患者への応急処置についての技術を学ぶ)講習会の受講をする事が求められるといいます。

気になる給料面は、普通の看護師とさほど変わらず年功序列です。というのも、フライトナースの仕事はドクターヘリに乗るだけではなく、普段は普通の看護師同様に院内勤務を行っているため。ドクターヘリはメインではなく、看護師業務のついでなのですね。
ちなみに、ドクターヘリは日が昇った朝9時以降から日が落ちる前の夕方5時まで、飛行視界が5㎞以上ある事、悪天候や強風の時以外というように様々な飛行条件がある為残業はありません。

しかし、救急車同様に緊急用搬送に使われる乗り物ですから、その重要性はかなり高く気が休む隙がない事には変わりありません。